【学会報告】「日本福祉のまちづくり学会 全国大会」で研究発表を行いました 当事者と「同行」できる街づくりの大切さ
2026年8月某日、近畿大学で開催された「第29回日本福祉のまちづくり学会 全国大会」にて、代表理事の織田友理子が研究発表を行いました。
発表題目は『リアルタイム共創型バリアフリーマップ「WheeLog!」によるターミナル駅(新宿、東京、渋谷駅)アクセシビリティ評価手法の開発』です。
発表と会場での質疑応答を通じて私たちが強く訴え、参加者の皆様とも議論したのが、「障害当事者と周囲の人が『同行』できる(同じ動線を共有できる)ことの大切さ」です。
これからの街づくりを「共に通れる」へ

写真左から)江守央様(日本大学 教授)、織田友理子、座長 森口弘美様(天理大学 准教授)
これまでのバリアフリー整備は、車いす利用者を裏口や離れた場所の専用エレベーターへ案内するなど、一般の歩行者から切り離された「専用の動線」になりがちでした。
本研究では、車いすで物理的に移動できるかどうかだけでなく、一般の歩行者と車いす利用者のルートがどれだけ重なっているかを「同行率(同じ動線を共有できる割合)」として指標化し、評価しました。
家族や友人と並んで移動し、同じ景色や会話を楽しめる。そうした「共用の動線」こそが、本来目指すべきバリアフリーの姿だと考えています。
災害時に「同行できること」が命を守る
質疑応答では、同行できることが、お出かけの快適さだけでなく、災害時の安全にも直結するという点を話し合いました。
一般の歩行者と車いすの経路が大きく離れていると、地震などでエレベーターが止まったとき、車いすユーザーは移動することさえ難しくなり、孤立してしまいます。普段から同じ動線を共有していなければ、いざというときに助けてくれる人と出会うことも難しくなります。
平時から、障害のある人とない人が同じ動線上にいること。それ自体が、有事の助け合いを可能にするセーフティネットになります。
理事会の参加

写真左から)杉山葵、織田友理子、鈴木克典様(日本福祉のまちづくり学会長 代表理事/北星学園大学 教授)
また織田は福祉のまちづくり学会の理事のため、理事会にも参加しました。
まとめ

写真左から)北山ともこ様(特定非営利活動法人アイ・コラボレーション神戸)、織田洋一、織田友理子、杉山葵
車いすの人が一人で隔離されたルートを通るのではなく、障害のある人もない人も、日常的に同じ道を通り、同行できる街をつくること。それが平時の豊かさだけでなく、有事に命を守る助け合いの土台になると考えています。
ユーザーの皆様がWheeLog!に寄せてくださる走行ログや情報は、こうした「共に歩める街」を実現するための、貴重な根拠になっています。
これからも、データと当事者の声を組み合わせながら、誰もが大切な人と一緒にどこへでも移動できる社会を目指して取り組んでまいります。
皆様のご支援と応援を、心からお待ちしております。
日本福祉のまちづくり学会とは
日本福祉のまちづくり学会は大学教授などの研究者だけではなく、メーカーや当事者などさまざまなステークホルダーが参加されています。ウィーログとしても毎回多くの知見をいただけるとともに、多くの繋がりをいただいています。バリアフリーやユニバーサルに取り組むさまざまな方に、ぜひこの学会にご参加していただきたいと願っております。


