【講演報告】定期航空協会様にて代表の織田友理子が講演・車座対話を行いました
2026年7月某日、定期航空協会様で、代表理事の織田友理子が登壇し、講演と、航空業界の関係者の皆様との「車座(対話)」を行いました。
車いすユーザー当事者の視点から、日頃の航空各社による手厚いサポートへの感謝をお伝えするとともに、空の旅がもたらす本質的な価値や、さらなるバリアフリー推進に向けた課題について、深みのある意見交換ができました。

航空業界が持つグローバルな「ダイバーシティ&インクルージョン」の視点
航空業界は、国籍、言語、文化、心身の状態が異なる多様な利用者を日常的に迎えており、グローバルな「ダイバーシティ&インクルージョン」の意識が深く浸透しています。
当事者が「人権を守られている」と実感できる接遇や配慮が自然に行われている点は、大きな特徴です。言葉や文化を超えて一人ひとりに向き合うホスピタリティの文化は、航空業界ならではの強みであり、価値であると、参加者の皆様と共有しました。
旅の価値とは
障害当事者にとっての「旅」は、A地点からB地点への移動にとどまりません。
日常の制約や環境から一時的に離れることで、思考を整理し、自分自身と向き合いながら、多角的な視点を得られます。それは、人生にとって格別な、内面的な価値をもたらします。移動のハードルを越えて旅に出ることが、当事者の自己実現や、人生の選択肢を広げる大きな力になっています。
当事者の現場から伝える課題と将来への期待
講演と車座対話では、今後のさらなる移動の自由に向けて、現場で直面している具体的な課題と期待についても議論しました。
- 大型電動車いすと機体コンテナ:重度障害のある当事者にとって、電動車いすは単なる乗り物ではなく、「身体の一部(足そのもの)」です。大型の電動車いすを利用する場合、機材によっては預け入れが難しくなるケースがあり、技術開発や運用面での知見の共有が望まれます。
- 機内での姿勢保持とリクライニング対応:自力で体幹を保つことが難しい当事者のために、空港でのリクライニング機能付き車いすの常備や、安全性を確保したうえでの、離着陸時の背もたれの角度への柔軟な理解とルールの統一が期待されます。
- 空港から目的地への情報連携(点から線へ):飛行機を降りたあとの二次交通(バス・タクシー・駅)や、周辺施設へのアクセス情報など、空港のスタッフの皆様が周辺のバリアフリーの状況を把握し、当事者を「点」ではなく「線」でつなぐ情報発信の大切さをご提案しました。
福祉から「人権のバリアフリー」へ
織田からは、次のような思いを伝えました。重度の障害があることで、周囲に申し訳なさや気兼ねを感じてしまう当事者は多い。そうしたなかで、航空各社から「ウェルカムですよ」という温かい姿勢を示していただけることが、何よりの安心になる。
特別な「配慮や保護」にとどまらず、誰もが当たり前に社会に参加し、好きな場所へ移動できる「人権のバリアフリー」の考え方を広げていくことの大切さを、参加者全体で再確認しました。
まとめ
現場で高い志を持って、安全とサービスを支える航空業界の皆様と直接対話し、未来に向けた前向きな議論ができたことは、ウィーログにとって、大きな勇気をいただく機会となりました。
これからも、現場の当事者の声とデータを軸に、交通事業者や関係機関の皆様と手を取り合いながら、「車いすでもあきらめない世界」の実現に向けて取り組んでまいります。
定期航空協会の関係者の皆様、温かく貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。

