【イベントレポ】WheeLog! in 墨田 2023夏 車いす街歩きイベント

2023年7月15日(土)に東京都墨田区で「WheeLog! in 墨田 2023夏」イベントが実施されました。WheeLog!墨田のメンバーからレポートをいただきましたので、ご紹介します。

背景

本イベントはWAM助成(社会福祉振興助成事業)の一環として実施しました。今回は東京都墨田区で作業療法士を中心とした専門職の方々や八広はなみずき総合支援センターの方々を中心に、団体職員も多数参加していた。そのためか、みなさんかなり真剣に参加されていて、説明や各班の発表を集中して聞いている印象であった。そういう中でも、みなさん街歩きイベントを楽しんでいらっしゃっていたなという印象です。

各班の街歩きの様子

・A班
地域の薬局が涼み処として解放されていることを初めて知りました。車いすユーザーの方に限らず、安心して休める場所が確保できるのは有難いです。写真1)駅に向かう歩道に、自転車避けの為と思われる柵があり、車いすでの通行に若干支障がありました。自転車のマナーが向上すれば、こういった対策も不要になり、より車いすユーザーにも優しい街になるのでは?と思いました。写真2)

・B班
昼食は,民生委員さんが経営している居酒屋に行きました.体験を通して,上手に車いすを介助して出入りできました.車いすユーザーさんが,「次は飲みに来ます」と,自宅の近所に飲みに行けるお店を見つけることができました(写真1.2)

・C班
墨田区では街の薬局が熱中症対策として、涼しいところで休憩できる、猛暑避難所「涼み処(すずみどころ)」を開設していました.バリアフリーの出入口でスムーズに中に入り,ひと涼みできました(写真1).
今回の体験で,車いすの介助操作に慣れた頃,街の和菓子屋さんに買い物に行きました.店内に車いす1台はどうにか入ることができ,食べたいものを選ぶことができました(写真2).

・D班
鐘ヶ淵出身の方に地元を案内していただきました。普段から車椅子で行きつけの、中華屋に行きました。町中華は車椅子で入れなさそうなところがほとんどですが、ここは広くバリアフリーでした(写真1)。
ほかにも吉備団子を食べたりといろいろしたのですが、D班はとにかく歩きました!少しの不整地でも、車椅子自走、介助ともに大変なことを体験しました。スカイツリーと(写真2)。

・E班
改札や駅員さんにスロープをお願いすることから体験してみてもらい、イメージ以上に大変で時間がかかるということを感じていたのではないかと思います(写真1)。外観で狭くて入れなさそうでも奥に行ってみるとい外と広いところもあるんだなとおもった。(写真2)

アプリにバリアフリー情報を投稿

今回で増えたバリアフリー情報の数 37個

気づきの共有時の様子

真面目に集中して取り組んでいました。各班たくさんの気づきがあり、有意義な街歩きであったと伝わってきた。今回は専門職や団体職員が多いということもあり、自身の仕事や活動に活かそうとする姿勢があったためではないかと感じられた。

まとめの発表時の様子

真面目に集中して聞いている方が多かった。発表者に対しての聞く態度がすごくよかった。発表内容も各班でしっかりまとめられていたと思う。各班、気づきも多く、楽しく充実した時間であったことが伝わってきた。司会の初鹿さんの捌きやコメントもよく、真面目な中にも楽しさがある発表の時間だった。

振り返りシートのまとめの一言

A班:体験が大事
B班:街歩きで広がる地域の輪
C班:人の意識と行動が街を良くする
D班:優しさと介助者のスキルがあればバリアを乗り越えられる!!
E班:街歩きで行きたいところにトライ!!

振り返り時の参加者のコメント

(バリアフリーとは少し違うかもしれないが)地域特有の「涼みどころ」というワードを広めていて、地域の薬局等も協力して、地域の高齢者等の熱中症対策に取り組んでいることが印象的でした。

インタビュー

W・Mさん、作業療法士
歩道、駅、トイレなど実際に車椅子に乗ってみると障害となるところが多く、気が行き届いていないと感じた。レストランもトイレは入れなかった。歩きだと簡単なことも車椅子だと時間がかかる。地域の人と関われたり当事者の声を聞けることが貴重な経験になった。 地域の訪問看護ステーションでの仕事でこの体験を活かして利用者さんにアドバイスしていきたい。

N・Kさん、団体職員〈福祉と住宅〉
押すことは経験してきたが、街中で自分が車椅子に乗るのは初めてなので気づきが多かった。人混みが難しい、思ったよりスピードのコントロールが難しい、介助者がいると安心できるなど。ただ介助者の顔は見えないと気がついた。車椅子、利用者が実際に書き込んでるのでその情報は貴重で眺めてるだけで面白いので、車椅子ユーザーが外に出たいと思うきっかけになると思う。建物は人の手を経て作っているはずなのに、バリアフリー情報がないのが不思議に感じた。施設を作る側が投稿するようにすればより情報が増えて良いのではないか。

S・Tさん、団体職員、車椅子ユーザー
グループごとに別れてみんなで街歩きしていろんな視点からいろんなことを考えられ有意義だった。自分でもアプリを活用して、障害当事者の友人にアプリを紹介して広めていきたい。健常の方が多かったので、障害当事者がもっと増えるといいなとおもった。次回は友達を誘って参加したい。

F・Tさん、会社員、車椅子ユーザー
年齢問わず、いろいろな方が参加でき、交流がしやすいイベントで、いろんな方に勧めたいイベントだった。自分の周りの当事者にアプリや街歩きを紹介していき、広めていきたい。車椅子での外出経験が少なかったり、特定の範囲しか行っていない人などに、街歩きイベントを勧めたいと思う。

今回の感想と今後の展望

感想

ミッションとして地域の高齢者(サ高住、グループホームなどが住まい)の方々とそのスタッフが街歩きに参加いただき、交流を深めることができました。こういった仕掛けは地域包括支援センターである八広はなみずき高齢者支援総合センターの協力があってこそかと思います。また車いすユーザーの参加者は20代〜70代と世代間の交流もできました。また地域の民生委員、区議会議員、地域の情報誌の方々など、地域での関心の高さを知ることができました。今まで、八広はなみずきでは、2回ほど車いす街歩きを行ってきましたが、今回の街歩きによって、頼もしい仲間とサポーターが増えたことが大きな成果です。

展望

今回のイベントを通して、地域で街歩きを継続していくための「仲間」がたくさんできました。これから、八広はなみずきでは、9月16日により規模を拡大して車いす街歩きを行います。そして、さらに地域のバリアフリーマップの作成を予定しています。沢山の仲間と継続していくことと共に、さらに近隣地域で車いす街歩きができる可能性を感じています。より発展させていければと思います。

イベント概要

イベント名:WheeLog! in 墨田 2023夏
開催日時:7月15日(土) 10:00〜17:00
開催場所:八広はなみずき高齢者支援総合センター
参加費用:無料
参加人数:28名 (歩ける人23名、車いすユーザー:5名)

▼開催団体
主催:一般社団法人WheeLog(公式サイト)
後援:一般社団法人東京都作業療法士会
協力:墨田区
会場提供:八広はなみずき高齢者支援総合センター

本イベントは令和5年度独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興助成事業の一環として実施しました。

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