ウィーログ代表の織田友理子です。
2023年のクリスマスイブ前日である12月23日(土)、東京の新日本橋にある分身ロボットカフェDawnにて、摂食・嚥下障害についての理解を深める目的で、とろとろクリスマスイベントを開催しました。
2023年のクラウドファンディングでは、摂食・嚥下障害の方に対応したレストラン情報を投稿し、検索できる機能をアプリに追加しました。しかし、摂食・嚥下障害についてもっと理解を深める必要を感じ、一般社団法人mogmog engineの加藤さくらさんと永峰玲子さんに協力を仰ぎ、企画段階からご支援いただきました。
美味しいお食事と共に摂食・嚥下の食事を試すことができ、多くの方々のご協力のおかげで、素晴らしいイベントを開催できたことを誇りに思っています。心から感謝申し上げます。
目次
摂食・嚥下障害のことをもっと知ろう!
イベントは文字通りてんてこまいでした。リアルでのクリスマスパーティーを団体として開催する経験がなかったばかりか、摂食・嚥下障害の方への対応についても知識が不足しており、新たな挑戦が次々と追加されていたため、事務局だけでは対応しきれませんでした。そのため、団体ボランティアの戦略室や運営委員会などが総動員して、運営にあたりました。
今回のイベントは、WheeLog!を一緒に育て上げてきた、おなじみの伊藤先生や吉藤オリィさんも登壇し、豪華な顔ぶれでした。ちなみに、WheeLog!メンバーはこのイベントのためにコスチュームを用意しました。伊藤先生も、到着後に会場でクリスマスらしい衣装に着替え、一気に華やかな雰囲気になりました。1ヶ月以上も前から3人で準備を進め、当日を迎えました。ちなみに、事務職員やスタッフも、それぞれがクリスマスらしい衣装を用意してきてくれました。
スポンサーによる試食品の提供がたくさん!
また、今回のイベントはmogmog engineの加藤さんや永峰さん、小田原福祉会潤生園施設長の井口さん、言語聴覚士の阿部さんのお声がけにより、多くのスポンサーがついてくれました。スポンサー企業の皆さまに心より御礼申し上げます。
実際にスポンサーとしてご提供いただいた摂食・嚥下の食事を試すことができました。お弁当は食べる前は離乳食のようなイメージなのかなと思っていましたが、離乳食よりも塩味がしっかりしていて、美味しいと感じました。見た目も美しく、風味が豊かで、飲み込みやすいと感じ、企業の努力を感じることができました。
チョコレートプリンは、フードケアの鹿子生さんがイベント開始前に来て準備してくれたのですが、イベントには参加できないほどのお忙しい中なのに、会場まで届けてくださったことに大感動でした。お味はもちろんチョコの味がしっかりしていて、濃い美味しいチョコレートプリンでした。
お土産としていただいた虎屋の羊羹は、老舗の味で美味しいのはもちろん、とても滑らかな舌触りで、摂食・嚥下向けの商品ではなく、どんな方でも美味しくいただける「やさしい羊羹」でした。参加者の方も、家に帰ってすぐ追加で注文されたそうで、納得のお味でした!
ノンアルコールドリンクは、クリスマスにピッタリのドリンクで、甘くて美味しくて、とても華やかな気分になれました。お酒が飲めない方でも、みんなと楽しい気持ちになれる炭酸飲料はいいですね。
スポンサー企業
日東ベスト株式会社(お弁当)
株式会社フードケア(チョコレート風プリン)
株式会社虎屋(やわらか羊羹「ゆるるか」)
バランス株式会社・株式会社トンボ飲料(ノンアルコールドリンク「セレブレ」「シャンメリー」)
お弁当とチョコレート風プリンは当日の会場で、やわらか羊羹「ゆるるか」とノンアルコールドリンク「セレブレ」「シャンメリー」はお土産としてお配りし、美味しくいただきました。
個人寄付
ニシムラ ユキコ(4口)、ナカガワ ハルコ(2口)、イヌイ モトフサ、コダイラ タツオ、サイトウ ユウコ、ササキ ユミコ、スギモト カヲリ、ナガシマ タカコ、ニッタ マサヒロ
※頂いた寄付金は、りんごケーキの購入費用に充てさせていただきました。ご支援いただきありがとうございました。
摂食・嚥下のクイズ
「嚥下(のみこみ)に適した食事の所要時間は?」など、摂食・嚥下障害にまつわるクイズを、専門家の井口さんと阿部さんがたくさん用意してくれました。井口さんが働かれている小田原の潤生園(https://junseien.jp/)では、日本で初めて摂食・嚥下食が開発されたそうです。そうした取り組みへの強い熱意や年月を経て今があることを知りました。
とろみ食の調理実演
とろみ食の調理実演では、加藤さんと永峰さんがブレンダーを使って実際にDawnの料理を調理してくれました。実際のお店で調理の許可が取れなかったら大変だろうな〜とか、このように食べさせやすくしているのか〜とか、いろんな機械が必要なんだ〜とか、実際に実演を見ながら学ぶことがたくさんありました。
お料理が提供されてから口に運ぶまでの間に、これだけ時間がかかるんだと、実演だからこそ肌身で感じることができました。付き添いの人が食べやすい形状にするのでもなくて、お店の人がそのような状態で提供してくださったらそれは嬉しいことだろうなとイメージが湧きました。
mogmog engineのキャッチコピーに「もぐもぐは、それぞれ。」とある通り、本当にどんな方でも外食が楽しめる世界を実現したいなと思いましたし、いま外食を楽しめない現状があることは本当に残念なことだなと痛感しました。
みんなが食べれるクリスマスケーキ!
クリスマスにふさわしい摂食・嚥下障害の方でも楽しめる、飲み込みやすい可愛いケーキを用意しました。かなり前からパティシエの志水香代さんにお願いしていたのですが、参加者の皆様にはサプライズとして喜んでいただけるように、当日まで内緒にしていました。
りんごケーキはコロンとしたリンゴが本当に可愛くて崩すのがもったいなかったです。摂食・嚥下障害向けだと言わなかったらわからないぐらいの、高い完成度で皆さん一様に驚かれ、喜んでおられました。真っ赤なリンゴが会場にクリスマスの彩りを追加してくださいました。
スポンサーからご提供いただいた試食品を、クリスマスプレゼントとしてお配りしました。プレゼントを配っているのは伊藤先生です。中にはお子様が本物のサンタさんだと信じ切っていました。確かに本物っぽかったです。イベントにはお子さんも多数参加されていて、このサンタさんは大人にも子供にも大人気でした。伊藤先生も本物のサンタさんっぽくなるようにちょっと意識していらっしゃったようです(笑)
これからも新しい取り組みに挑戦
このクリスマスイベントのトーク中で、吉藤オリィさんが新しい発明を披露してくださるなど、他にもたくさんのサプライズがありました。もう手が動かなくなってしまった方がジェスチャーできるようなロボットアームを私も試してみました。伊藤先生とも握手した感覚になったりしてすごく嬉しかったです。
企画側が目いっぱい楽しんで、参加者の皆さんを楽しませようと取り組んだ結果、本当に誰もが楽しいクリスマスイベントになりました。
自分たちにできることはここまでだと思ってしまったらここまでですが、私たちのアプリを通してもっと様々な方に貢献できるような取り組みができると強く感じました。それには、社会の課題を知っていくことと、様々な取り組みをされている方々とともに手を繋いで、新しい取り組みに挑戦していくことが大切ですね。
WheeLog!最高責任者の3人は最近多忙を極めており、一度に関わることはなかなか難しくなってきましたが、このイベントには久しぶりに3人で集まることができました。やはりこの3人があってのWheeLog!です。アプリを維持していくことは非常に困難を極めますが、この3人で立ち上げることができたことを何よりも誇りに思い、ユーザーさんや支援者の皆様たちを大切にしながら、これからも進んでいきたいと思います。
代表 織田友理子
参加者の感想
最後に、当日参加された方々の感想を紹介します。来年もこうしたイベントが開催できると嬉しいですね。
- 場所も集まった方々も進行もとても素敵で楽しかったです。
- 初めて知った食品(虎屋のようかん)もあり、帰ってからすぐに注文しました。とろみ食は、見た目も大事であることを感じていましたが、リンゴのケーキには感激しました。
- とろみ食を作っている様子や、出来上がりを試食する時間もあればよかったと思います。
- 友理子さんの熱意と優しさのある言葉に胸が熱くなりました。
- 摂食・嚥下障害のことがよく理解できた。車いすユーザーもそれぞれ、もぐもぐもそれぞれ。
- 内容が盛りだくさん過ぎて時間が足りない感じでした。三人のお話しももっと聞きたかったですが、嚥下の話も外せないし。
- クラファンカウントダウンでそんな会があるといいねというところから実現して、想像以上の素敵なクリスマスが楽しめたこと。ゆりこさんがオリィさんの発明?で手を振ってくれたこと。こうしたいということが叶うという希望がいつもあり励みになります。ありがとうございます。
- みなさんの笑顔 食べる事は生きる事ですね。
イベント概要
日時:12月23日(土) 18:00〜20:30
会場:分身ロボットカフェDawn ver.β(東京都中央区日本橋本町3丁目8−3)
参加者:54名
主催:NPO法人ウィーログ
協賛:株式会社虎屋、株式会社トンボ飲料、バランス株式会社、株式会社フードケア、日東ベスト株式会社
登壇者:加藤さくら、永峰玲子、阿部学、井口健一郎、伊藤史人、吉藤オリィ、織田友理子
司会:ジョンソン