4月6日(土)に横浜市で開催した街歩きイベントのレポートを星佳代さまよりいただきましたのでご紹介します。
WheeLog! in 横浜
主催: 一般社団法人WheeLog
共催: ひみつきち
協力: 神奈川県住宅供給公社、認定npo法人横浜移動サービス協議会
はじめまして、今回、WheeLog! in 横浜に関わらせていただきました星と申します。遅くなりましたがイベント開催の報告をさせていただきます!
桜の開花宣言の後から冷え込む日が続き、毎日天気予報を気にする日々でしたが、3月の府中に続き晴天❗️そして、満開の桜に迎えられての街歩きとなりました。
告知後、あっという間に満員!ホールが広かったこともあり、沢山の方に参加してもらおう!ということで増枠を決定。最終的に街歩きの参加者は、65名(介助者、子ども含む)、なんと12班‼️となりました。
イベントは、代表の織田友理子さんの挨拶から始まり、吉藤オリィさんからイベントの説明、伊藤史人先生からアプリの説明がされました。
その後、ミッションを各班で選び、いよいよ街歩きスタート!
今回、会場はkosha33(神奈川県住宅供給公社内のホール)を提供していただきました。kosha33は横浜スタジアムに隣接しており、観光スポットへのアクセスもよいみなとみらいエリアにあります。
このエリアは、すでに走行ログやスポット投稿もありましたが、観光地としてたくさんの方が訪れる場所としては、まだまだ情報が少ない印象でした。そのため、人気エリアを中心に、みなとみらいで移動サービス協議会の利用者の方が活動している花植え作業をミッションに加えたり、事前にリクエストを募集した内容から横浜らしいYokohamaミッションを作成し、街歩きをしてもらいました。
街歩き中は、Facebookでお馴染みのジョンソンラジオをお届け。
今回の街歩きでは、各団体さまにもご協力いただきました。
車いすは横浜市中区社会福祉協議会様より6台、横浜市港北区社会福祉協議会様より6台、子ども用車いすを個人様より1台お借りしました。ありがとうございました。
また、参加賞として、キリン株式会社様からは生茶を、神奈川県住宅供給公社様からはサクマドロップスをいただきました。認定npo横浜移動サービス協議会様からは、作成されたバリアフリーマップを各班に資料として提供していただきました。参加者の方からも景品として自家製レモンやWheeLog!メジャーをご提供いただきました。ありがとうございました。
会場に戻ってきてからは各班で今回の街歩きをふりかえりました。
各班からさまざまな気づきや感想が発表されました。
街歩きはゲーム形式となっており、ミッションをクリアして得点を競いました。上位3チームと良い投稿をした参加者に横浜ならでは?の景品が渡され、和やかな雰囲気の中、街歩きイベントが終了しました。
街歩き後の懇親会は、お花見をしながら親睦を深めようという企画となりました。沢山の方々の参加となり、満開の桜の下、横浜の夜景を見ながら親睦を深めることができました。
ここで、今回の参加者の方々にイベントの感想をいただきましたのでご紹介いたします。
今回、横浜開催にあたっては、以前より開催エリア近辺で街歩きをされている団体様へもWheeLog!の説明、イベント参加のご協力をお願いしていました。その団体のひとつ、O’MOLOライフプロジェクトより、初めて参加した前田昌宏さんです。
普段歩き慣れた横浜の街を車イスで動きながら見てみると意外に段差が多くて不便だったり、中華街のように人が多い場所は方向が分からなくなるほどであるということが視点を変えてみて実感することができました。
今回は電車での移動でたまたま駅員さんに忘れられてしまい電車を5本も見送ってしまうこともありました。移動時間の違いなどについても考えさせられました。
WheeLog!のアプリを使ったのも初めてでした。横浜でO!MOROライフプロジェクトという障害者・健常者など様々な人が集まる取り組みに関わっていますが、車イスだけでなく色々なバリアを日常感じている人にとっても良いツールだと思います。O!MOROライフプロジェクトでも独自に街歩きをしてみたいと思います。
次に、府中イベントでは、運営側としても参加していた磯飛沙有里さん。
府中市の街歩きイベントに続き、横浜イベントは2回目の参加となりました。今回は知らない街を歩くこと、大都市での街歩きはどんな気づきや発見があるのかを楽しみに参加しました!
横浜は数える程しか来たことがありませんが、さすが観光地!中華街は観光客で溢れていました。車椅子で歩くと視線が合わないことが多く、気づかれないのではないか?と不安に感じる場面もありました。中華街~みなとみらいを回るコースでしたが、歩道の幅が広く、路面は整備されており、車椅子の操作はしやすかったです。意外と縁石の小さな段差が乗り越えられず、操作に慣れない私は何度も手伝ってもらいました。今回のチャレンジは中華街のカウンター席のお店に行ったこと。リクエストがあったお店で行列ができていましたが、前回に続きグルメは妥協せず、皆で並ぶことに決めました。高めのカウンター席しかないため、車椅子ユーザーさんは移乗が必要です。環境的なバリアを忘れてしまう程に店員さんのホスピタリティが高く、快く受け入れて下さいました。車椅子ユーザーさんの「一人では挑戦できないことが出来た」という言葉がとても印象に残っています。一人では不安な場所も、グループ行動ならば可能性が広がる喜びを感じました。
みなとみらい駅など都市の駅は規模が大きく、エレベーターを探すことに一苦労。やっと見つけたと思ったら、ベビーカーを押すママさんの行列。行ってみないと駅の広さや位置、混み状況など分からないことが多いことに気づきました。事前に情報があるのと無いのとでは全然違うことを実感し、アプリの情報がもっともっと増えて、WheeLog!がもっともっと世界に広がったら良いなと思いました!
今回、エレベーターや電車の乗降など車椅子ユーザーさんは“待たなければいけない”シチュエーションが多いことを経験しました。なかなか時間通りにいかない、そんなもどかしさを感じているかもしれないと気づくことが出来ました。
最後に、初めましての人たちと気づきや楽しみを共有することで、いつの間にか仲間のような存在に変わり繋がっていく、、、イベントの醍醐味はここにあるなと前回に続き感じています。今回も最高に楽しかったです!最後まで一緒に街歩きを楽しんだ10班の皆さん、ありがとうございました。星さんを始め、イベント企画・運営をした皆様、本当にお疲れさまでした!!
次は茨城での地元開催を準備されている宮山敬子さん。
横浜は2回目の参加でした。府中での初めての参加の時は、どんな活動なのか何が起こるのかとても不安で。それでも事務局の方がメールなどで丁寧に説明してくださり、会場に着いたときには不安が期待に変わったのを覚えています。
初めて参加のときにはヘビーユーザーの方にスポット投稿の仕方やログの仕方など手取り足とり教えて頂き、やっと1カ所登録できた!そんな感じでした。その後の報告会や懇親会では、色々な年代、色々な職業、趣味、人生を送っている、普段学校という世界ではなかなか知り合えない方々との出逢いがありました。とても刺激的で、心を揺さぶられ、すっかり虜になってしまった次第です。
私は、特別支援学校にずっと勤務していて、いつも支援される側の子どもたちも、誰かの役に立ちたい!社会貢献したい。支援する側に立ちたいと思っていることをずっと感じていました。オリィさんが著者「孤独を消せる」の中で書かれている「人は、誰かに必要とされたい。必要としてくれる人がいて、人を必要とする人がいる限り、人は生きていける。」に、深く共感し、このWheeLog!が、障害のある子どもたちが社会貢献できるツールだ!と、イベントに、参加して強く思うようになっていました。子どもたちと茨城でやってみたいと思っています。それには、まず自分が慣れなくては!という思いもあり、横浜の開催を知ったその日に、申し込みをしました。
そんな訳で、横浜は2回目でした。気合も高まり、よし‼️と言う意気込みでの参加です。まだまだスポット投稿やログは不安がありましたが、今回もヘビーユーザの方にやっぱり教えて頂きたいなと思って、ちょっと甘えていました。
ところが‼️ジャッラン‼️私のグループは3回の方がヘビーユーザーで、初めての方もいて、私は2回目だし。ということはみんなほぼ一緒?これは、やるっきゃない!という状況。これもいいよね。みんなが主役!と前向きに明るく話してくれるメンバーがいて、不安がわくわくに変わりました。
実際に車椅子で歩いてみると歩道は広いところも多いですし、とにかくお花がたくさん植えられていておしゃれな街だなぁと改めて思いました。みなとみらいや赤レンガ倉庫など比較的新しい建物が多い場所はほんとに歩きやすかったです。さすが横浜‼️と思いました。おしゃれな街にして車椅子でも歩きやすい、とても素敵な街でした。ただ人が多いところではやはり歩きづらさがありますし、石畳の凹凸は見た目はおしゃれですが車椅子で歩くとその振動直接脳に伝わるような感じで話し声もその振動に合わせて声が震える感じで、結構辛いものがありました。これは、車椅子で歩いてみないとわからないことです。話をすると、あわわわわわわっと面白くもありましたがちょっと大変でした。
古い建物には、スロープがないところもありましたご、呼び出し用のボタンがあったり、後付けだろうなと思われる傾斜が急なスロープがあったりと、できる限りのバリアフリー化に努力されているなぁという印象をもちました。
今回の参加では私は主にスポット投稿やログの仕方を覚えて地元での開催につなげたいと言う思いがありましたので、事務局の方の動きなどを見ていたつもりです。事務局の方はこれだけの会場を用意したりこれだけの人数を取り仕切っていましたのでとても大変なことだったと思います。しかしどの事務局の方々も、例外なくみんな楽しそうでキラキラ輝いていました。やらされている感が全くないのです。
終わった後の報告会もジョンソンさんの独特の盛り上げ方で、今回の懇親会は、お花見‼️やはり事務局の方々のおかげて、Water frontでのすっばらしいロケーションでお花見が実現‼️伝説のWheeLog! in 横浜となりました。伝説は作れないかもしれませんが茨城開催を目指して、前に進みたいと思います。事務局の皆様、すばら企画をありがとうございました😊
2回目の参加のお二人の感想やアンケート結果からも、WheeLog!イベントは参加の回数を重ねることでイベント参加の満足度も上がるようです。
最後に、自立の魂〜略して じりたま!〜に所属、DPI日本会議の活動にも参加されている、ご自身も車いすユーザーの岩切玄太さんからの感想です。
去る4月6日、うららかな青空広がる絶好の散歩日和の横浜でWheeLog!街歩きイベントが開催された。会場である関内のKosha33ホールを埋め尽くすばかりの障害者・健常者問わずおおぜいの参加者が集まった。
4~5人で構成されたチームが全部で12班に分けられ、各班には車いすユーザーが必ず混じっていた。自走の車いすユーザーが多かったように思える。アプリ「WheeLog!」の使い方についての簡単なガイダンスを受けた後、各班のメンバーはいっせいに横浜の街四方八方へ繰り出した。
このイベントの肝は健常の参加者も実際に車いすに乗って街歩きを行うところにあるだろう。普段、車いすに乗った経験のない参加者はまずホイールを漕いで前に進むことに四苦八苦しながら、歩道の傾斜や道の継ぎ目のわずかな段差がいかに大きなバリアになっているか肌身をもって覚えたはずである(車いすの操作方法、部位の説明などもう少し詳しく事前に手ほどきする必要があるように感じた)。
さらに単なるバリアフリーチェックということだけではなく、ゲーム性も多分に混ざっており、町中に張り巡らされたミッションをクリアしポイントを稼ぐことを通して、世代問わず自然とコミュニケーションが生まれ、気づけば非常にほぐれた雰囲気が流れていた。そもそもアプリ「WheeLog!」自体が手軽かつ自分が投稿した足跡(ログ)が瞬時に可視化できる機能を有していることから、工夫によっては小学生向けのバリアフリープログラムとして活用させられる可能性を感じた。
この時期にしては強い汗ばむほどの日差しをかいくぐり何とかみなとみらい線の駅の中まで到着したものの、乗る駅でも降りる駅でもホームと改札をつなぐエレベータはベビーカーの行列で大渋滞。土日ともあって、ランドマークタワーでも同様に1フロア移動するだけでもかなりの時間を要することになった。車いすに乗った健常の参加者も思わず「車いすを担いでエスカレーターで行っていいですか!?」と口走ってしまうほど、耐えがたいもどかしさを感じたようであった。車いすに乗ることによって変わるのは目線の高さが変わるだけではない。時間の流れも変わってしまう。街歩きのために用意された3時間30分というたっぷりな時間も車いすで、しかも大人数で移動するとなるとキュッと収縮してしまう。昼食をとるためようやく入店できた親子丼のお店でもスペースの関係で席が離れ離れにされてしまった。同じテーブルで並んで一緒に食べられる店を探していたらどれくらい余計に時間がかかったことだろう。実際に制限時間内に戻ってこれなかった班もいくつかあった。こういった場面に、障害者の生きる世界と健常者の生きる世界のずれが如実に現れる。
これまで障害者は個々が独自に自分なりの街の歩き方を開拓するように築いてきた。しかし、これからは障害者と健常者がともに歩む時代だ。誰とでも、どこへでも出歩くことができるのでなければ真のバリアフリーな社会とは言えないだろう。アプリ「WheeLog!」の登場によって障害者の外出することに対する不安は軽減され、逆に意欲が増すはずだ。街に繰り出す障害者が増えれば出会いが生まれ、それがまた新たな外出を促し・・・「WheeLog!」のマップが今以上に充実していく頃には、やがて実際の街の形も変わっていくだろう。
今回の横浜開催は地域開催の枠を超えて大きなイベントとなり、配慮が足りないところも多数あったかと思いますが、皆さまのご協力で大きな事故なくイベントを終えることができました。ありがとうございました。
横浜は規模が大きく、当事者団体をはじめ様々な市民団体があります。それぞれにバリアフリー活動を展開していますが、WheeLog!アプリを取り入れることにより、情報の共有など、今後の活動の幅を広げるきっかけたなったのではないでしょうか。また、それぞれ顔を合わせ繋がることは地域活動においては、大きなメリットになるのでは!と感じました。
初めましての参加者同士が繋がることはもちろんですが、既存の団体が繋がっていくことにも、各地域で開催されるWheeLog! in ◯◯というイベントの大きな付加価値があると感じました。
今後は、今回見えてきた課題を修正しながら、継続した活動を目指していきたいと思います。
最後に、過去の参加人数を更新した今回の大きなイベントをサポートしていただいたWheeLoggersの松下雄一さん、鈴木メイザさん、安田英彦さん、荒井雅代さん、上田智子さん、初鹿真樹さんに、この場をお借りし感謝申し上げます。また、懇親会の花見会場は、吉田雄一さん、藤井未来さん、星璃鳳さん、星美瑠さんに早い時間より場所の確保と設営をしていただきました。懇親会の撤収作業も参加者様のご協力でスムーズにできました。皆さまのご協力に感謝いたします。ありがとうございました。
ひみつきち 星佳代