2022年8月にアメリカのロサンゼルスを電動車いすで訪問しました。車いすで海外旅行を考えている方の参考になればと思い、訪問した経験に基づいて「旅行準備編」「移動手段編」「観光スポット編」に分けて旅行情報をまとめました。こちらに記載している内容は訪問時点(2022年8月)の情報で、あくまで一例ですので、それぞれの状況に応じて準備・計画していただければと思います。ぜひご参考ください。
今回はロサンゼルスでの移動方法について紹介します。ロサンゼルスでの移動には、以下の4つの手段を使いました。
①配車サービス(Uber)
②バス
③電車(Amtrak)
④空港リムジンバス(ホテル)
目次
①配車サービス(Uber)
アメリカでの移動には車が欠かせません。今回の渡航では福祉車両の配車サービス(Uber)があるということで、福祉車両はレンタルせずに、Uberを使って移動しました。
利用方法
まずはUberアプリをダウンロードして、個人情報やクレジットカードを登録します。次にアプリを使って車いす対応の車両「WAV」を呼びます。手配が完了すると、アプリに車両の現在地やドライバーなどの情報が表示されるので、到着まで待ちます。
Uberの車両には横から乗るタイプと後ろから乗るタイプの2種類がありました。どちらのタイプも手動でスロープを出す形です。あるドライバーさんに尋ねたところ、1日に平均8~10人ほど乗せているそうです。今回の訪問では10台ほど乗りましたが、どのドライバーさんも対応はとても手慣れていました。
料金
料金はエリアや時間帯、利用状況によって変動します。福祉車両は以前は高めの設定になっていたそうですが、訪問時は通常のUberと同じ料金になっていました。これは「合理的配慮」に基づいた対応だそうです。また、降車時にチップを払う画面が出てくるので、適宜金額を設定して支払います。
注意点
とても利用しやすいUberですが、利用の際には「エリアと時間帯」にはくれぐれも気をつけてください。基本的に福祉車両のUberは少なく、サービス提供エリアは限られています。少し遠くへ出かけた時に、帰りがサービスエリア外となっていて、Uberを呼ぶことができませんでした。また、サービスエリア内でも時間帯によって捕まりにくいことも多かったです。一般車両では予約ができるのですが、福祉車両は予約ができませんでした(2022年8月時点)。
②バス
バスは市内巡回バスと、市内から郊外へのバスを利用しました。
利用方法
バスは前から乗り、電動でスロープが出てきます。車内には座席シートのない車いすのスペースが1〜2つ用意されていて、中に入ると運転手さんが手際よくベルトを装着してくれます。バスの運行状況はGoogle Mapなどの地図アプリで確認するのがオススメです。
料金
バスの料金は数10セント〜数ドルと、日本とほとんど変わりません。
注意点
一般的にアメリカは車社会で、治安面を考慮すると、基本的に公共交通は避けた方が安全です。訪問時はアメリカの失業者が増えていた時期で治安が良くなく、積極的には利用しませんでした。この時は1〜2時間待ってもUberが捕まらなかったため、やむなくバスでの移動を選択しました。
③電車(Amtrak)
中長距離を移動する場合は、Amtrakというアメリカ全土を走る電車を利用します。ロサンゼルス市内には地下鉄も走っていますが、治安面の不安や機会もなかったため、地下鉄は利用しませんでした。
利用方法
駅の券売機で乗車券を購入します。入力時に車いすの状況について細かく質問に答える必要があります。すべて英語かスペイン語での入力になります。
駅構内のホームにはスタッフがいて、ホームの乗車場所を案内してくれました。
ホームと電車には段差がありますが、電車内にスロープが収納されており、電車内の乗務員がスロープの対応をしてくれます。
車内の車いすスペースは、自転車などが置けるスペースにもなっています。また、同じ車両に車いす用トイレもありました。
料金
外国人旅行客でも障害者割引が適用されました。
注意点
明るい時間帯に利用しましょう。夜でも駅には警備員の方がいたりと、安全面は確保されていますが、夜間の移動は治安上、あまりオススメしません。
④空港リムジンバス(ホテル)
帰国前日は空港近くのホテルに宿泊し、翌日ホテルのリムジンバスで空港まで移動しました。リムジンバスは通常はリフトのない一般車両になりますが、事前に予約すればリフト付きのリムジンバスを手配してくれます。Uberの福祉車両は事前予約できないため(2022年8月時点)、ホテルでリムジンバスを手配しておくと安心です。今回は英語のできる現地の方に事前にホテルに問い合わせていただき、無事に手配することができました。利用したホテルは、Courtyard by Marriott Los Angeles LAX/Century Boulevardでした。
利用方法
前日までに予約する必要があったため、チェックイン時にフロントでホテルの出発時間を伝えて手配しました。当日はホテルの玄関で乗車して、そのまま空港に向かいました。
料金
宿泊者向けのサービスのため無料です。
注意点
リフト付きのリムジンバスのサービスがあるか、いつまでに予約を伝える必要があるかなど、ホテルによって条件が異なると思うので、予約時に詳細をお問い合わせする必要があります。
まとめ
Uberは便利でしたが予定が立てづらく、帰りにちゃんと乗れるかという不安がありました。実際に一度、ホテルに帰れないという事態に陥りました。予約ができれば安心して予定を立てやすくなるので、今後サービスが充実していくのを期待しています。
また、今回は電車やバスで危ない思いはしませんでしたが、治安の悪さを感じる場面もあったので、ロサンゼルスではできるだけ車での移動をオススメします。
以上が、ロサンゼルスの移動についてです。
次回は「観光スポット編」をお送りします。お楽しみに。
バリアフリー地図アプリ「WheeLog!(ウィーログ)」
今回のアメリカ渡航で利用したお店やバリアフリートイレの情報は、バリアフリー地図アプリ「WheeLog!(ウィーログ)」で見ることができます。ぜひご利用ください。