八王子の魅力発見!車いす街歩き2024 by WheeLog!を開催しました

WheeLog運営委員の戸塚尚光です。3月2日(土) に、東京都八王子市で車いす街歩きイベントを開催しました!

メインテーマの設定

今回、私が住んでいる八王子にて車いす街歩きイベントを開催し、イベントのプロジェクトリーダーを務めさせていただきました。今回は「八王子の魅力と課題の発見!」をテーマに、車いすで街中を漕ぐことで、日ごろ何気なく歩いている街中を車椅子ユーザー目線で見つめ直し、新たな魅力や課題を発見できたら良いなという思いで、このプロジェクトを企画運営しました。

社会学者ピーター・バーガーは、

物事は見かけ通りではなく、重層的であり、新たな層を一つひとつ発見することで、全体の見え方に変化が生じてくる。自分が慣れ親しんでいたものごとや前提が覆されることもありうる。

と述べており、今回はこの思考をヒントにしてメインテーマをつくりました。

参加者は中学生や大学生、看護師の方々や市議会議員さんなど、様々な属性の方々に集まっていただくことができました。3グループに分かれてそれぞれメインミッションに取り組みつつ、バリアフリー情報を集めていただきました。私も運営だけでなくグループに加わり、みんなと一緒にメインミッションを目指してスタートしました。

メインミッション:磯沼ファームチーム

目指すは磯沼ファーム、山田駅を降りて県道を歩き中学生車椅子ユーザーのTくんを先頭にねり歩いていると、期せずして急坂に挑むことになりました!

普段なら、一人では絶対に挑まないであろう急勾配の坂を、上っている最中は一生懸命上ることだけに集中していましたが、上りきった後から冷静に考えてみると、よくチャレンジしたなと思いつつ、グループみんなで挑んでみて良かったと思えました。一人じゃ無理だけど、みんなで挑めば乗り越えられると強く感じました!

この看板の矢印に従っていった先に急坂が、、、

メインミッション:高尾山チーム

高尾山チームのメインミッションは、高尾山の麓にある登山ルートマップを投稿しよう!というミッションでした。これはミッション会議で時期的にも路面状況的にもリスクが大きいからやめておいた方が良いのではないかという意見があったため、メインミッションはふもとまでにしておき、展望台にチャレンジするかどうかはチームのその場の状況で判断してもらおうということになったためです。

このチームの車いすユーザーさんは車いす生活になってからは高尾山にチャレンジすることをあきらめていましたが、みんなで一緒にケーブルカーを利用し、展望台まで行くことができたということを報告してくれました。

高尾山は有名な観光スポットでもあり、お店によっては車椅子ユーザーに充電用設備を提供しているなど、心のバリアフリーに対する意識が高い環境だと感じました。

メインミッション:神社巡りチーム

神社巡りチームは八王子市街を車いすで走行し、走行ログをひきながら2か所の神社に参拝することがメインミッションでした。今回参加して頂いた車いすユーザーのSさん親子は、安心して参加できるコミュニティを求めて参加してくださったということで、メインミッションをこなしつつ、同じチームの方々とコミュニケーションをとり、繋がりを感じてもらえたのではないでしょうか。車いすユーザーの娘さんが、お母さんや身内以外の人達ともなじめるように、なるべく他者との関わりを作ってあげたいという思いがあるそうです。

WheeLogではイベントを通じてコミュニケーションの場を提供することで、制度や分野、一方的な関係性を越えて、人と人との繋がりを創っていくことで地域共生社会の実現を目指す活動も行っています。街あるきイベントに参加する方々はフレンドリーで暖かい人が多く、新たな繫がりや繋がりを深める場としても活用できると思います。

子安神社にて

振り返り

ふりかえりでは、市街道路の凸凹や段差等への指摘、お店に対する合理的配慮への問題、駅におけるホームドアの安全性に関する意見や課題などの報告があった一方で、

こちらから話しかけることで親切に対応してくれた

という話や、声がけしなくても察して対応してくれたお店の話、京王線の魅力についての報告など、良い面や改善点などの意見がたくさん挙がりました。

その他にも、医療に従事されている方の感想として、

エレベーターに設置されている鏡が何のために設置してあるのか今まで知らなかったが、車いすで利用することでその意味を知ることができました

という報告もありました。車いすユーザーにとってはごく当たり前のことかもしれませんが、実際に体験することで何のための設備なのか知ることができ、知ることで今後利用する時には車いすユーザーへの配慮ができるようになるということもあります。

また、介護職や医療従事者、リハ職など、車いすを押す経験はあっても押してもらう経験はなかなかできないと思います。相手の立場に立って物事を考えるというのは、考える出発点が自分の今までの経験や知識である以上、結局自分の知らない部分は理解し得ないのです。だから、実際に自分で車いすに乗ることがとても大切です。そして、その機会を安全に楽しく得ることができるイベントをWheeLogが提供しています。

結果発表では織田代表からの特別賞もあり、とても盛り上がりました。
中学生車いすユーザーのTくん親子とともに頑張って急坂を上った車いすくんをねぎらうMC,ジョンソン
終始笑顔で場を和ませてくれたSさん親子

参加者の感想

  • ちょっとした傾斜や段差も車椅子だと走行の妨げになることが良くわかりました。
  • 参加者一人ひとりの感想が聞けたのが良かったか。
  • 初めての場所で初めて会った方たちと、小さな冒険したり、ご飯を食べたり楽しかったです。
  • イベントの中で印象に残ったことは、実際に車椅子ユーザーの方と同じ目線で生活してみることの大切さに気づくことができたという点です。生活と言うにはおこがましいのですが、実際に乗車して、車椅子の目線で、道路を進み、買い物をするなど、私が思っている以上に敏感に感じるものがありました。なので、車椅子やユニバーサルデザイン等を考えていく上で、同じ目線で行うという考えはとても大切であると思いました。
  • 今回のイベントで特に印象に残ったことは、イベントで出会った参加者と見知らぬ土地を一緒に歩き回る活動です。初めは、不安もありましたが結果的に人との輪が、広がった気がして楽しかったです。実際に車いす乗ってみて感じたことや車いす利用者の生の声を聞くことができたことなど、様々な学びがありました。

私は、生活の場である八王子市が誰にとっても暮らしやすく、だれにとっても幸せだと感じられる社会、だれ一人取り残さない社会を目指して活動を行っていきたいと思っていす。その一環として、今回は八王子の課題や魅力を発見しつつ人とひとが繋がる場を提供するために、第一回目の八王子車いす街歩きイベントを開催しました。この活動は一過性のイベントではなく、今後も継続的に続けていきたいと思っています。次回の開催にも様々な方にご参加いただけると嬉しいです。

☆この記事を書いた人

上部へスクロール
Skip to content