【活動報告】作業療法士の卵たちへ届けたい!!第9回日本臨床作業療法学会学術大会 with WheeLog!取り組み報告

1.ご挨拶

こんにちは!作業療法士の永島匡と申します。

今回実行委員を務めた2024年3月に開催された「第9回日本臨床作業療法学会学術大会」のプレ企画として、一般社団法人WheeLogさんと共催でコラボレーションをさせて頂き、2回の車いすまち歩きイベントを実施しました。

第1回目は2023年の8月26日に、全国6校の作業療法士養成校をオンラインで繋いだ、学生と車いすユーザー中心のまち歩き、

そして第2回目は2024年3月8日に、学会前日企画として学会会員の作業療法士、作業療法学生、車いすユーザーでのまち歩きを行いました。

今回の学会とWheeLog!のコラボに至った背景として、少しでも多くの作業療法士(OT)さんや学生さんにWheeLog!というアプリを知って欲しいという思いから、学会の企画チームで動き出しました。

我々作業療法士は、対象者の「生活」を支援する専門職種ですが、その多くは病院などの医療機関で働いており、実際の「生活」とは違う病院内での様子しか対象者を見られないことが多いのが現状としてあります。そのため「生活」を支援するはずが、リアルな「生活」を知らない、そんなジレンマを抱えている作業療法士が数多くいます。

一般的な学術大会は、研究成果を発表し議論することが中心ですが、今学会では机に向かった知識だけの学びではなく、実際の体験を通したリアルな学びを学会参加者の方々や学生さんと共有できれば、そしてその学びが作業療法士の日々の臨床現場での視点や選択肢を増やすきっかけになれば、そのような思いからこの企画がつくられていきました。

2.イベント

企画1「9thCOT×WheeLog! 学生車いす街歩きプログラム」

実施日:2023年8月26日

概要:第9回日本臨床作業療法学会学術大会プレ企画として、全国の作業療法士養成校6校をオンラインで繋ぎ、車いすユーザーと共に街歩きを実施

参加養成校:函館市医師会看護・リハビリテーション学院(北海道)、東京工科大学(東京)、帝京平成大学(東京)、国際医療福祉大学(神奈川)、聖隷クリストファー大学(静岡)、長崎大学(長崎)

参加者数:作業療法学生計53名、車いすユーザー7名 計60名

企画2「9thCOT×WheeLog! 学会前日車いす街歩きin池袋」

実施日:2024年3月8日

概要:第9回日本臨床作業療法学会学術大会前日プレ企画として、学会参加者、学生対象に車いすユーザーと共に東京都池袋周辺の街歩きを実施

会場:帝京平成大学池袋キャンパス

参加者数:学会参加者37名、車いすユーザー8名 計45名

3.参加者の感想

  •  ある班が発表していた“1人の気づきがみんなの気付きへ”という言葉がとても印象に残りました。  また、実際に車椅子で走行してみなくてはわからない、人混みでの車椅子操作の難しさやエレベーターの見つけにくさ、圧迫感などハードな面からソフトな面まで非常に多くの経験ができました。さらに他の参加者の気付きから、車椅子やバリアフリー、介助といった多くの側面での学びが非常に多く、大変貴重な経験となりました。  加えて、普段から車椅子を使用しておられる車椅子ユーザーの方の声をすぐ隣で聞けたことで、実際の生活上の困り事や懸念、想定されるリスクなどに対する視野と考えが非常に広がりました。まだまだ盲点となってる点や改善できる点が多方面であるはずなので、今後、今回の学びを生かしつつも学ぶ姿勢を大切にしていきたいと感じます。
  • 車椅子ユーザーの方と街歩きを共にする事、自身での車椅子移動の際の目線(人混みや建物内の移動)、車椅子ユーザーが不便に思う点(車椅子ユーザーさんに対する標識が少ない等)を実際に体験できた事。交流の中で車椅子ユーザーさんの普段の日常の様子の一部を共有した事が印象に残りました。
  • 今回は由緒ある公園にユニバーサルシートでのケアが必要な車椅子ユーザーさんと行ってきましたが、残念ながらユニバーサルシートが一ヶ所もありませんでした。その施設のどこか一ヶ所だけでも設置されていたら良いなと思いました。また、その設備があったとしても、あるという情報にたどり着けないと意味がないので情報の発信や検索の容易さについて改めて考えさせられました。 今回、Wheelogアプリでトイレを検索しましたが、ユニバーサルシートが設置されているトイレを検索できず残念でした。

4.まとめと今後の展望

今回の2つの車いすまち歩き企画を通して、計100名以上を超える方々にご参加いただきました。これだけたくさんの方に参加していただけたこと、そして当初の目標であった「多くの作業療法士、学生さんにWheeLog!のことを知ってもらいたい」という思いがある程度達成できたことが、とても嬉しかったことです。

車いすまち歩きを経験すると、街を見る視点が変わります。そして世代や障害を超えた仲間が出来ます。こういった経験を多くの学生さんに体感して頂き、この視点を持って今後資格を取った後病院などの医療現場で働いてもらえることが、とても心強いなと感じています。まち歩きが始まる前は緊張した顔つきだった学生さん達が、まち歩きから帰ってきた後は晴れやかな笑顔でグループワークに臨んでいる姿を見られて、企画に関わって良かったなと強く感じることが出来ました。

そして何より参加して下さった車いすユーザーの皆様への感謝でいっぱいです。今回の2回のイベントでお越し下さった車いすユーザーさんのほとんどが、まち歩きイベントに初参加の方々でした。様々な地域からお越し下さり、そして参加者に多くの学びを頂きながら、またそこで新たな繋がりが生まれていく。WheeLog!ならではのコミュニケーションの発展が全国各地で巻き起こったことは、これからのWheeLog!の発展にも繋がるきっかけにもなったのではと感じています。

企画して大変だったこととしては、昨年8月のイベントで、オンラインで6箇所を同時中継で繋ぐという大変さがあります。全国の様々な地域をWEBで繋ぐため、行くスポットや地域性も多様な中で、タイムスケジュールを守りながらイベントを成り立たせていくというミッションは、とても難しいものでしたが、結果大成功だったため、やりがいがあるものでした。

さらにこれは個人的な事情となるのですが、2023年はWheeLog!のWAM助成金での車いすまち歩き事業にも運営として関わっており、7月と9月にも大規模なまち歩きイベントを東京都町田市で開催するというスケジュールでした。そのため今回の8月のイベントも含めて、3ヶ月連続でまち歩きイベントの企画・運営という大仕事であったため、この数ヶ月はWheeLog!づくしの寝ても覚めてもまち歩きのことを考えるような期間となったことが、忘れられない思い出です。

今後の展望として、さらに様々な医療介護職の教育養成課程で車いすまち歩きのプログラムが出来るようになると良いなと考えます。作業療法士だけではなく、理学療法士、言語聴覚士、医師、看護師、介護福祉士等、様々な教育の中でこのまち歩きを実施していくことで、生活と医療介護がより垣根なく繋がっていき、そしてそれが街が誰にとっても優しいものになる。そんな世界が世代や障害を超えてつくっていけると良いなと思っています。

さらに、参加者の作業療法士の方から、何ヶ所か新たな地域で車いすまち歩きを行ってみたいという話が挙がっています。WheeLog!を通して、また新たな場所で人の繋がりが生まれ、その街が優しくなるきっかけ作りとなる。そうやって「あなたの行けたが誰かの行きたい」に繋がる、良い循環のバトンが渡し合えていけると素敵だなと感じております。

5.日本臨床作業療法学会第9回学術大会 大会長 大野勘太(東京工科大学)メッセージ

車椅子街歩きプログラムはまさに第9回日本臨床作業療法学会学術大会が掲げた『超参加型』を体現する企画でした。

朝の集合時間にはどこかぎこちなく緊張感もあった参加者同士が、街歩きでの数多くのリアルな学びを通して仲が深まり、会場に戻ってからは熱気に溢れた交流が生まれていたことが強く印象に残っています。オンラインツールも発展し、学びの敷居は下がりました。しかし、これからの時代は自ら動き、仲間とともに体験を共有し、社会課題を自分ごととして考えることが重要になります。医療従事者としてだけでなく、1人の地域住民として、誰もがより良く暮らせる地域共生社会の実現に向けて車椅子街歩きプログラムの発展を今後も応援しています。

第9回日本臨床作業療法学会学術大会
大会長 大野勘太

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車いす街歩き
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