車いすで楽しむ!スペイン・カタルーニャのワイナリー体験記

ウィーログ代表・織田友理子です。昨年夏、ウィーログのスペイン海外視察の中でカタルーニャ州政府観光局さまの依頼で、スペイン・カタルーニャ地方にある「JEAN LEON」ワイナリーを訪れました。観光地として世界中から注目を集めるバルセロナから少し足を伸ばすと、実はワイナリーがたくさんあります。このワイナリーのあるペネデス地域は、世界的に有名な上質なワインの産地として知られています。

そんなワインの本場で、カタルーニャの魅力が詰まった素敵なワイナリー体験ができたので、実際に訪れたワイナリーやバリアフリーの視点から感じた魅力を、余す所なく皆さんにお届けします!

世界的に有名なカタルーニャのワイン

スペインといえば、オリーブオイル、ワイン、ハム、チーズなど、様々な食の魅力にあふれていますが、中でもワインは地元の人々にとって非常に身近な存在です。ホームパーティーの手土産にはワインを持っていくのが定番で、日々の食事にも欠かせない飲み物として愛されているようです。おしゃれですよね!

私もワインは大好きですが、アルコールに弱く、奥深くて難しそうなイメージがあって、これまで深く勉強したことはありませんでした。ワイナリーの見学には一度行ってみたいと思っていたものの、車いすだとそもそも難しいのではないかと思い、調べることすらしていませんでした。

それだけに、今回のワイナリー体験が決まってからは、どうやって行けばいいのか、建物はバリアフリーなのかなど、様々な不安とともに、大きな期待を抱いていました。

バリアフリー完備のワイナリー「JEAN LEON」

今回、私たちはスペイン・カタルーニャ地方にある「JEAN LEON」というワイナリーを訪れました。このワイナリーのあるペネデス地域は、世界的に有名な上質なワインの産地として知られています。

バリアフリー情報

  • アクセス: バルセロナ市内から福祉タクシーで約45分
  • 施設: 駐車場から入口のスロープ、車いす用トイレあり、施設内段差なし
  • その他:日本語字幕付きのビデオ上映、カタルーニャ地方の伝統料理とワインの試飲体験、ワイン製造工場の見学、ワイン飲み比べ体験、ワインに関する様々な質問に答えてくれるスタッフがいます。

アクセス

バルセロナからワイナリーまでは、福祉タクシーで約45分。費用は掛かってしまいますが思っていたよりも近い距離でした。肝心のワイナリーのバリアフリー状況は、駐車場から入口のスロープを通ってホールまで傾斜はあるものの段差はなく、車いす用のトイレも完備されているので、安心して過ごすことができました。郊外のワイナリーというと、歴史あるとても古い建物をイメージしていましたが、実際には想像していたよりもずっと新しくてモダンで綺麗な建物で驚きました。

今回、何度もお世話になった福祉タクシーですが、こちらの記事に詳しく載せていますので、興味ある方は是非ご覧下さい。

#8:車いすで観光をもっと楽しむ!バルセロナの快適な移動方法をご紹介

駐車場から建物まで

駐車場からワイナリーの体験施設まではすぐ横、大きなスロープが設計されており、とてもスムーズに入ることが出来ました。ゲートから入るのですが、写真を見て、車いすの人の動線がメインで設計されていることがおわかり頂けますでしょうか?これなら普通だったら当たり前すぎて気に留める機会もあまりないかとは思うのですが、車椅子ユーザーにとっては嬉しい”一緒に並んで”移動できるのですよね。


施設内のバリアフリー

中に入ると、スタッフの方も温かく出迎えてくれました。スタッフの方にワイナリーを案内してもらいながら、様々な説明を受け、とても良い体験になりました。ホールの隣にはビデオルームがあり、ワイナリーの歴史を映像で詳しく学ぶことができました。日本語の音声もあったので、しっかりと理解を深めることができてありがたかったです。

トイレ

スペインで古い建物の場合、車いす用トイレの広さを確保することは難しかったり、日本のいちご狩りなどの体験型施設では、車椅子用トイレが設置されていないか、狭くて使いにくかったりすることが多いのが現状です。しかし、こちらの施設では、清潔でとても広々とした車椅子対応のトイレが設置されており、快適に利用できました。

ジャン・レオン(Jean Leon)

ジャン・レオン(Jean Leon)はスペインで生まれ、若い頃にフランスを経由してアメリカへ渡り、ハリウッドで成功を収めました。その後、理想のワインを造るためにスペイン・カタルーニャのペネデスにワイナリーを設立したそうです。

映像を通して、ワイン造りに関わる人々の思いや情熱、ワイナリーを作り上げるまでに得た周りの人々の協力、そしてそれを後世に長く残る偉業として築くことの難しさを改めて考えさせられました。

カタルーニャの伝統料理とワインで食文化を感じる

今回は、カタルーニャ地方の軽食コースを体験しました。地元で昔からよく食べられている定番のタパス(小皿料理)を味わいながら、ワインを試飲するという最高の体験ができました。

旅行先のレストランでは、自分では何を選んでいいか分からず、「おすすめは何ですか?」と聞いて頼むことが多いのですが、今回はワイナリーが厳選する食事だけあって、どれもこれもすごく美味しかったです。一つ一つのお料理に舌鼓を打ちながらワインとともに楽しむことができ、カタルーニャの食文化を感じられるとても良い体験でした。

このワイナリーでは、ワインの収穫年(ヴィンテージ)ごとに異なる芸術作品がラベルを飾るシリーズがあります。これまでのラベルに採用された絵画が展示されている特別な場所で食事をいただきました。

ワインのこだわりを知る工場見学

試食の後は、ワインの製造工場を見学しました。あいにくの雨でしたが、電動車いすでも全く問題なく移動できるように舗装されていました。来る前までの心配が嘘のようでした。工場までの道では広大なぶどう畑を見ることもでき、ワインがこの雄大な自然の中で育っていることを肌で感じることができました。

工場の中では、赤ワインと白ワインの作り方の違いや、ワイン作りの工程を詳しく教えてもらいました。ワインの貯蔵庫では、貯蔵庫の独特の温度や臭いとか、その場でしか感じられないワインへのこだわりなどが伝わってきました。全てが丁寧に扱われ、歴史を感じる中にも現代に受け継がれているとても清潔な貯蔵庫でした。

2種類のワインを飲み比べ!五感で楽しむ試飲体験

工場見学の後、いよいよワインの本格的な試飲です。今回用意してもらったワインは2種類。1つはフルーティーなワイン、もう1つは森や緑を感じる香りのワインでした。ワインの種類によってこんなにも深みや香り、色などが変わってくるのかと、すごく興味深かったです。また、ワインは飲み切れないほどたくさん出てきました。

他にも、「古いワインってよく聞くけど、新しいものとどう違うんですか?」って質問したら、奥から古いワインを持ってきて飲ませてくれました。全てのワインが熟成によって美味しくなるわけではなく、若い時に飲むことを想定して造られたワインは、熟成させても風味が劣化する可能性がある事など、ワインのことは何でも答えてくれて、ワインについてとっても詳しくなれた気分でした。

今回は残念ながら天候に恵まれず、雨の中の見学となりましたが、建物内から一望できるワイン畑の景色は最高でした!きっと天気のよい真っ青な空の下のワイナリーは格別でしょうね!

おわりに

今回のワイナリー体験は、単にワインを飲むだけでなく、ぶどう畑の散策、ワイナリーの訪問、地元の人たちとの交流を通して、その土地の歴史や文化を肌で感じながら、スペイン料理まで体験できる、まさにワインを通じて五感で楽しむ素敵な時間でした。

ワイナリーの見学は2時間くらいなので、バルセロナ市内に滞在していても、半日で体験できるのもおすすめポイントです。他にも瓶のラベル張りやワインの瓶詰等の体験できるアクティビティや、訪問者の希望に応えられるような対応もフレキシブルにしてくれるそうで、いろんな人が満喫できる体験ができると思います。

体験ができる旅行は、大人も子供も本当に楽しめます。特に子供が小さい時は、色々な体験をさせてあげようと親も頑張りますが、子供が大きくなった後も、生涯色々なことに興味を持ってワクワクしながら勉強することはすごく大事だなと思っています。車いすでもそれができると知ってすごく嬉しかったです。大げさかもしれませんが、世界が広がったように感じました。バリアフリー対応して頂いていることに感謝です。

読者の皆さんも、ぜひカタルーニャのワイナリー体験をして、素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

▼JEAN LEONのバリアフリー情報はこちら

https://app.wheelog.com/map/custom/user/webMap?spotId=150975

▼ウィーログがこれまで執筆したまとめ記事はこちら

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