
5月17日(土)に岩手県盛岡市で車いす街歩きイベントを開催しました。盛岡での開催は今回が初めて。あいにくの雨にもかかわらず、総勢約50名が参加し、活気ある1日となりました。



今回は、代表の織田友理子、伊藤史人先生(岩手県立大学)、吉藤オリィさん(オリィ研究所代表)の3役が勢揃い。トークや交流を通じてバリアフリーの視点をさらに深める時間となりました。
目次
イベント概要
イベント名:車いす街歩きイベント〜WheeLog! in 盛岡〜
開催日時:2025年5月17日(土) 10:00〜17:00
開催場所:プラザおでって 3階 おでってホール
参加人数:約50名
主催:NPO法人ウィーログ
協力:アクセシブル盛岡 since1993 代表 石川紀文
車いす提供:株式会社ダスキン
さんさ踊りで幕開け!盛岡を体感する特別プログラム

オープニングでは、地元で30年以上にわたりバリアフリー推進に尽力されてきた「Accessible盛岡 since 1993(アクセシブル盛岡)」の石川さんと地域の皆さまのご好意で、盛岡の伝統芸能「さんさ踊り」がサプライズで披露されました。華やかな踊りと太鼓の音が響き渡り、イベントの幕開けにぴったりのひとときとなりました。参加者からは「車いすではなかなかお祭りを見に行くことができないから嬉しい!」といった喜びの声も聞かれ、盛岡ならではの文化を体感する素敵なスタートとなりました。
わんこそば大会開催!老舗の東家さんで100杯超え


昼食では、老舗「東家」さんのご協力のもと、街歩きの特別ミッションとして「わんこそば大会」を開催。立派でかわいい横断幕までご用意で歓迎くださいました。東屋専務取締役取締役の高橋大様にご説明いただいたのち、掛け声「はい、どんどん!」「はい、じゃんじゃん!」が飛び交い、参加者同士の交流も深まりました。最高記録は153杯で、100はい以上はお札がもらえました。男女1位には石川さん提供の景品も贈呈。南部せんべいでした。大盛り上がりのひとときとなりました。
雨の中で盛岡を満喫!
今回のイベントでは、7つのチームに分かれ、盛岡の観光名所がたくさんある「プラザおでって」周辺エリアを調査しました。雨模様となりましたが、車いすでエリアを散策し、スロープの有無や店舗の入口の幅、段差、トイレ設備などを確認しました。




参加者からは、
- 「物理的な不便がある場所もありましたが、それ以上に周囲の方々がとても優しく接してくださり、心のバリアフリーを実感できました」
- 「バリアフリーはハード面ももちろんですが、心のバリアフリーも感じられたのがとても印象的でした」
といった声が寄せられ、体験を通じた気づきの多い1日となりました。
イベントを通じて、WheeLog!アプリへの新規投稿が約60件増加。飲食店やトイレの情報がリアルタイムで共有され、今後の盛岡訪問者の参考になる地図が一層充実しました。
街歩きを通して見えた現実と可能性
今回の調査では、歩道の狭さ、水たまり、案内表示の分かりにくさ、スロープの傾斜など、さまざまな物理的バリアが指摘されました。一方で、地域の方の親切な声かけや外国の方との交流もあり、心のバリアフリーの大切さも実感されました。
新しいホテルや施設でも、ベビーベッドはあるのに介助用ベッドがないなど、設備面の課題も明らかになりました。こうした体験を通じ、介助用ベッドの重要性が共有されました。




地元との連携で、さらにアクセシブルな盛岡へ

今回の開催にあたっては、アクセシブル盛岡の石川さんをはじめ、多くの地元関係者の皆さまにご協力いただきました。特にアクセシブル盛岡の石川さんには、さんさ踊りやわんこそばの調整、会場の手配、メディアへの紹介など、地元の幅広いご縁を通じて多方面にわたるご支援をいただきました。この場をお借りし、心より御礼申し上げます。
石川さんも今回のイベントについて、ブログにまとめてくださっていますので、ぜひご覧ください。ブログはこちら

街歩きに欠かせない車いすは、株式会社ダスキン盛岡さまからご提供いただきました。しっかりと整備された車いすで、安心・安全に街歩きができました。搬入から搬出まで本当にありがとうございました。



イベント前日には、「伊藤史人先生の岩手復帰を祝う会」が開催され、盛岡でバリアフリーの活動を長年にわたって進めてこられた皆さまとお会いすることができました。また、福祉×アートの分野で注目されている「ヘラルボニー」共同代表の松田文登さんともお話しする機会をいただき、未来に向けた力強いつながりが生まれました。
地元メディアでも大々的に報道
岩手日報、IBC岩手放送など、地元メディアでもイベントの様子が大きく取り上げられました。また、街歩きの様子の動画をディレクターの千葉佳史さまに作成いただきました。ぜひご覧ください。
共に未来へ歩む仲間を募集しています
当日は、参加者同士の学び合いや励まし合いも多く見られました。「今いる場所から、世界を変える」――そんな思いを胸に、WheeLog!は今後も街歩きイベントや情報共有を通じて、バリアフリーな社会づくりを進めていきます。
情報のバリアフリー化、制度の改善、街の整備… そのすべては、ひとりひとりの行動から。
ぜひ、次のイベントにもご参加ください。あなたの一歩が、未来を変えます。