
「車いすでもあきらめない世界をつくる」。このビジョンの実現に向けた大きな一歩として、2025年12月16日、国土交通省 住宅局を訪問し、小規模店舗のバリアフリー基準強化に関する要望書を提出しました。
目次
アンケート調査概要
今回の要望書の基となったのは、2025年11月に実施したアンケート調査です。このアンケートは、車いすユーザーやその家族・サポートする人々が、小規模店舗を利用する際に直面しているバリアを把握し、その実態を当事者の声として可視化することを目的として実施したものです。
今回は、自由記述の多いアンケートで、回答に時間のかかるものでしたが、たくさんの方にご協力いただきました。回答にご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
調査の詳細
- 実施方法・期間:2025年10月31日〜11月30日、オンラインフォームにて実施
- 回答数:合計44件
- 回答者の属性 :
- 車いすユーザー本人:約7割
- 家族・親族(介助者):約2割
- 支援者・福祉関係者:約1割
手動・電動、さらには大型電動車いす利用者まで、全国各地の多様な当事者による「日常生活の経験」が寄せられました。
▼ 今回のアンケートについて
https://wheelog.com/hp/archives/35096
当事者の声:街の中で直面する「あきらめ」の瞬間
アンケートには、飲食店や医療機関、サービス店舗など、私たちの暮らしに欠かせない場所での切実な声が数多く寄せられました。
- 飲食・物販:「入り口に段差があって入れない店が多い 」「店内通路が狭すぎて、希望の商品が買えない」
- 医療・サービス:「靴を脱ぐタイプの病院は、衛生的に入れないと思って初めから諦める」
- 金融機関:「ATMの画面が見えない、ボタンやカード差し込み口に届かない」
国土交通省への具体的な要望事項
当日は、国土交通省住宅局のご担当者の皆様と、バリアフリーに関する基準の見直しについて意見交換を行いました。議論にあたっては、要望書の提出に加え、全国の当事者の皆様から寄せられたアンケート回答を、編集や要約を一切行わず、約40ページに及ぶ分量で、「当事者の生の声」としてお渡ししました。



最後に:皆様の声が社会を変える力になります

今回の要望書提出は、皆様が実際に外出し、挑戦し、時には悔しい思いをした「経験」を国政の場へ届ける重要な架け橋です。車いすユーザーが直面しているバリアは、環境や配慮不足が作り出しているものです。ウィーログはこれからも皆様と一緒に社会のバリアを一つずつ解消し、車いすでもあきらめない世界をつくるために活動を続けていきます。
改めまして、アンケート回答にご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
