”コロナ禍でイベント開催に奮闘されたお二人の壮絶な行動録”
前半レポートに引き続き、後半お二人目です。
目次
登壇者発表
井手かのさん 作業療法士
〈開催地〉静岡県掛川市 〈所属〉掛川東病院
①痛感した街のバリア。私が変えなければと一歩を踏み出した井手さん。
井手さんは、足の不自由な伯母を掛川案内することになりました。
掛川城は段差がきつく、街中はどこも坂や段差がありどこへいっても目的地には着けず諦めることばかりでした。
思うように案内ができなかったことを原点に
「まとまったバリアフリー情報があったら便利だな」
と考たそうです。
そこで先ず、自分の行った場所のバリアフリー情報をチェックしブログへ掲載することから始められました。
半年が経過した頃、WheeLog!の存在を知り、ブログにもWheeLog!アプリにも情報を掲載してくださったそうです。
そんな中、2020年コロナ禍で行われたオンラインイベント第1回WheeLog!summitへ参加し、感染対策をしっかりしながら、街歩きができると認識し背中を押されたそうです。
同時にWheeLog!オンライン街歩きイベントがあることを知り、早速2020.9月のご自身の地域での街歩きイベント参加を目論み、開催に至りました。
②「開催場所がみつからない。」そんな中なぜお寺で開催が決まったのか?
イベント開催場所を見つけるのは、開催運営の過程の中で一番苦労すると言っても過言ではありません。
何故なら、様々な条件にプラスして、車椅子が利用できる施設に限られるからです。
井手さんも開催場所を見つけることに四苦八苦されたようです。
開催場所を探している中で、ある情報を耳にした井手さん。
「あそこのお寺、最近バリアフリーにしたって聞いた?」
すぐにその情報に飛びつき、お寺へ出向いて交渉した結果、
開催地としては異例のお寺で、WheeLog!街歩きイベントを開催することができました。
このお寺はバリアフリーの他、Wifi・プロジェクターも完備、その上、トイレがとても綺麗でした。
その上、お寺を中心にイベントを行うことが多々あり、地域活動に熱心なお寺だったのです。
地域コミュニティーの中心の場所であり、「地域の課題に向き合う場」として機能していました。
そして井手さんは、気が付かされたそうです。「私はまだこの街がどんなことをしているのか全く知らなかった。どんな当事者の方がどんな活動をしているのか。街づくり。市民活動をする方々と繋がれたから街歩きイベントを開催することができました。」
③これから街歩きイベントを開催したい皆様へ
井手さんが強調してお話していたことに、この2つの言葉があり私も感銘を受けました。
「3ギブ1テイク」
何かをやろうとした時に、周りの方がやっていることを
3ぐらいお手伝いして始めて1手伝っていただける。
何かを貰おうと考えていると、相手にも伝わり上手くいかないことが多かったそうです。
自分が大切だな、面白そうだなと思っている活動に積極的に参加しお手伝いをしていると、徐々に周りの人間関係が良好となり、自分がやりたいと思っている活動をお手伝いいただけるようになったそうです。
「できない理由って何かあるんですか?」
また今回コロナで地域開催ができるか非常に悩んでいた井手さん。
所属先の院長に相談しに行ったところ、上記の言葉をいただいたそうです。
その時に気づいたのが
『やれない理由を自分が作っていた』
そうじゃなくて「どうやってできるのか?みんなが安心して参加できるにはどうしたらいい?」と考えるようになれたそうです。
私も何か困難があったときに、できない理由を探してしまう自分を感じました。
やめることは簡単です。しかし、難しい道を進むにはできない理由を探すのではなく「どうやったらできるのか?」を考えることが大切です。
以上
講演を終えて
街歩きイベント開催の運営をしていく中での葛藤や、どのような考えで進めて行けば上手くいくのか等、リアルで具体的な講演内容でした。
大変参考になり、改めて気がつくことばかりでした。
素晴らしいご講演ありがとうございました。
交流会
お二人の講演の後には参加者同士での交流会が行われました。
名司会者である地域活性化チーム安西さん、代表の織田さんのお二人に進行していただき、皆様とたくさんのお話をすることができました。
皆様の疑問や感想などをこの場で共有させていただき、解決できたこともありました。本当に楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
参加者の声
✔️街歩きを、実際にされている方々のお話を伺うことができて、とても充実した時間でした。ありがとうございました。
✔️かなり具体的な内容だった。苦労した点がよくわかった。
✔️発表がとっても素晴らしかったし、懇親会の雰囲気も良かった。✔️街歩きを、実際にされている方々のお話を伺うことができて、とても充実した時間でした。ありがとうございました。
最後に
WheeLog!はこれまで日本全国様々な地域でWheeLog!アプリを使用した街歩きイベントを開催してきました。
どの開催地も『想い』を持って開催してきました。
現在は新型コロナウイルスの影響により、私たちはなかなか前を見づらくなっている状態にあります。
しかしこのような世界であるからこそ、”今できることは何か?”と常に問い続け、”優しい世界をつくる”ことを諦めません。
今回登壇されたお二人にはそれを体現していただきました。
この場をお借りしてお礼させていただきます。
またこのイベントに携わっていただいた運営の皆様、ご参加していただいた参加者の方々、ありがとうございました。
またご一緒に顔を合わせ、笑顔溢れる世界をつくれる日を楽しみにしております。
運営スタッフ
主催:一般社団法人WheeLog
報告レポート編集:杉山葵