東北大学公共政策大学院 まちあるきプログラム開催

集合写真

WheeLog! SENDAI(仙台)で活動するirubiさんから、WheeLog!教育プログラムの実施レポートをいただきました。4月26日に大学院での授業の模様が詳細に書かれています。ぜひご覧ください。

教育プログラム実施

4月26日に東北大学公共政策大学院の授業公共政策ワークショップⅠ-Dの学生の皆さんと、当該授業の一環としてWheeLog教育プログラムを開催いたしました。

今回は学生の方の他に、東北運輸局の局長や運輸局の方、また、法学部の教授、近々町で開催したいと、街歩きに興味を持っていただいた町議の方も視察に来ていただき、視察だけでは…との御手洗教授の計らいのもと、それぞれの班に入っていただき実際に車椅子に乗っていただく体験をしてもらいました。

街歩きの狙い

3チーム編成で大学院を出発地点とし、目的地は3ヶ所「せんだいメディアテーク」「県庁」「NHK仙台拠点放送局」とし、それぞれ目的地に行き、自由に行き帰りの道のりは学生の方に考えてもらいながらの出発です。

【せんだいメディアテーク】の狙い

・平成建築物一位

・7階までのトイレの仕様が全て違う

・点字ブロックが円を描く様になっている(これは他では見る事ができない)

・全階に手で触ってわかる案内図がある

・EVAC  CHAIRの見学

【宮城県庁】の狙い

・誰もが利用する施設であること

・県庁内でできるパスポート発行などの場合において、きちんと写真屋さんがあり、ユーザーでも困難ではない事

・エレベーターに車いす用があるか

・多目的トイレの場所

・車いす用駐車場から入り口までの経路や、台数、車いす駐車場スペースの在り方

【NHK仙台拠点放送局】の狙い

・施設が見学できるとはあまり周知されていない

・車いすでも施設内が利用できるか

・車いす用駐車スペース

・多目的トイレの場所

・車いす用エレベーターはあるか 

これを先に学生に伝えるのではなく、自ら考えてほしい事もあり、ご協力いただいた仙台バリアフリーツアーセンターの方々にさりげなく誘導や、説明などをお願いしました。

いよいよスタート

それぞれの出発前の写真を撮り、学校を出発です。

学校から校門まで、すでに車いすでは通りにくい道が出てきます。

「歩いていた時は気がつかなかった」との声。

これからもっとその気づきを体験してね…と私は心の中で思いました。

道路に出れば、歩道の細さや、横断歩道の段差が出てきます。

アーケード内も通りながら「こんなに坂だったかな」「斜めになっている」という会話を耳にしました。

トイレのチェック

目的地までの道中、トイレに実際に入ってみて、横付けしやすいか学生自ら体験していました。

思っていたより難しかったようですね…

また、多目的トイレ内は車いすで回転できる広さなのか、オストメイトとトイレの位置が近いと実際利用してみるとどうなのかを実体験しました。

公衆電話の確認

公衆電話を利用してみました。低い位置にはあるものの…入るのにも、日常の動作とは違いがあるのでちょっと大変そうです。

コンビニ体験

コンビニで、段差解消のためにスロープがあっても、介助無しでは入れないないような場所を体験してもらいました。また、中に入ってみて、コンビニで高い位置の品物を取ろうと頑張ってみた学生の方に「今は足で踏ん張れるから取ることができたけど、足が使えないユーザーは取れないんだよ」と、こちらが言わなければ気がつかない事もありました。

街中のちょっとしたバリア

欅がキレイな仙台市ですが、大きな欅が歩道を狭くしていました。

目的地で車の乗降場を見つけましたが、限られたスペースしかなく、他は段差になっていて、段差が無い場所からのアプローチを探していました。

車いすでは気づかなかった道もありました。革靴を履いていた町議の方が、「この石畳の道は滑らないように加工してある。」と歩かなければ気がつかない視点を話していました。

また、帰路では雨が降り始めてしまったので、地下鉄を利用しようとなり、公共交通機関を利用する時のやり取りを見てもらいました。また、学生提案の仙台で地下鉄の乗り継ぎを、私自身、初体験しました。駅によってはエレベーターがなく、階段脇についている昇降機(エスカル)を利用する場合があります。この昇降機を見学すると共に、駅員さんの方のご協力により、学生の方も体験させていただきました。

福祉避難用具のレクチャー

せんだいメディアテークでは、職員の方にEVAC  CHAIRのレクチャーをうけました。実際に利用する場面は少ないかもしれませんが、こうした福祉避難用具があるという事を知るという事もとても大切です。

気づき体験

それぞれの班が、健常者も障害者も問わずに車いす体験をしながら、お互いにたくさんの気づきを体験できたと感じました。振り返りの気づきシートを貼るには一枚では足りなく各班2枚になり、もっと気づきの時間を取るべきだったとタイムスケジュールを組んだ私の失念でしたが、それだけたくさんの気づきがありました。

A班【宮城県県庁】

まとめシートB班【せんだいメディアテーク】

まとめシートC班【NHK仙台拠点放送局】

景品のプレゼント

ミッションやビンゴシートを利用したので、普段のWheeLog!街歩きのように、それぞれ班毎に達成した事なども振り返りました。また、御手洗教授からの景品やWheeLog!ステッカーなどもプレゼントしました!

ふりかえり

その後、バリアフリーツアーセンターの理事長(伊藤)から、福祉は仙台から始まったという歴史のレクチャーをしてもらいました。記念撮影をし終了とはなりましたが、その後も学生の方たちからの質問がたくさんあり、有意義な時間を教授にいただけました。

車いすユーザーの私達が何故、トイレやエレベーターが必須なのか、また、お店は入りたいよりも入れるお店を探してしまうので、情報共有がいかに大切かを考えてもらい、これから街を歩く時、街歩きの事を頭の片隅に入れておいてもらい、たまには「この道通るの難しいかかな」「利用しやすいお店かな」。。と思い出して欲しいという事、また私達障害者と過ごした時間の中で、どんな事が困り事になりそうなのか理解してもらえたら上で、いろんな方がいるだろうけど、何か立ち止まっているユーザーの方を見かけたら声がけしてみてね。ともお話させてもらいました。

『街歩き前』

『街歩き後』

仙台初となるピンク色のログがつきました!

ただの街歩きでは終わらずに、こうして学生の方の情報が布石として残り、全国的の方に発信されているのです。だからこそ、アプリ内でこんな嬉しいつぶやきも。

このような形で、参加された皆さんが怪我をする事もなく、無事終了いたしました。

学生レポート

以下数名の学生の方の街歩き後のレポートです。

街歩き感想だけではなく、アプリ利用の際にこんな工夫があるといいのでは…とミッションについての反応もあり、スマホを利用してきた世代で活用の考え方が違い、なるほど…と感心してしまったほどです。

御手洗先生より感想をいただきました

ダイバーシティ&インクルージョン都市を目指す提言をまとめる1年間の授業の初めに、学生に新しい視点を持たせて頂けたこのプログラムは、学生たちにとっても、この授業を企画した教員にとっても、非常に有意義でした。また、学生同士もまだ出会って間もない中、ガイド?していただいたみなさんがとても気さくに、積極的に話しかけていただいて、とてもいい雰囲気の中で実施することができました。下見をしていただいたり、各施設に許可を取っていただいたりと、手作りのプログラムで準備にはとても時間がかかったと思います。大変感謝しております。本当にいいプログラムでした。ありがとうございました。

まとめ

私でも日常が困りごとと捉えるのを忘れている日もありますが、いつまでもユーザーになった時の気持ちや、子育てで大変だった時期、人を思いやる気持ち、受け入れてもらった時の気持ちを忘れず、人の気持ちに寄り添える心を育てていける人となりたいと、学生の方と接する事によりあらためて実感した日となり、これからも自分の至誠をゆらぐことなく啓発活動に力を注いでいきたいと考えています。

ご協力いただきました、各施設、仙台バリアフリーツアーセンターの皆様、またこのような貴重な授業を選択してくださった御手洗教授に心より御礼申し上げます。

irubi

上部へスクロール
コンテンツへスキップ