【鳥取県を訪問】県庁職員と面談し、現地のバリアフリーを視察しました

車いすで安心して移動できるまちをつくるためには、机上の議論だけでなく「現場を見ること」が欠かせません。

先週11月、認定NPO法人ウィーログの代表と事務局メンバーで鳥取県を訪問し、県庁職員の皆さまと面談、そして実際の施設や道路を視察しました。

鳥取県は「福祉のまちづくり条例」を丁寧に整備し、バリアフリーに関する基準づくりを長年にわたり進めてきた地域です。

今回の訪問では、その背景や取り組みの積み重ねを深く知ることができました。

県庁職員との面談

当日は、県庁の「住宅政策課」「道路企画課」「障害福祉課」のご担当者さまより、2時間以上にわたり丁寧にお話を伺いました。

鳥取県の「福祉のまちづくり条例」では、新築や改修を行う建築物に対し、出入口の段差解消を床面積にかかわらず義務付けているほか、各種設備の設置基準についても床面積要件を全国的にも厳しい水準で設定しています。

例えばバリアフリートイレについては、飲食店の場合100㎡以上で設置義務の対象となるなど、運用面でも明確な基準が示されています。

こうした厳格な基準を背景に、鳥取県は全国でも有数の「福祉のまちづくり」が進んだ自治体として取り組みを積み重ねてこられました。

面談では、その経緯や課題まで率直に共有いただき、バリアフリーに真摯に取り組み続けてきた豊富な知見を伺うことができ、私たちにとっても大きな学びになりました。

歩道の段差と“安全”の両立

鳥取県では、視覚障害者の方の安全確保を目的に「横断歩道に段差を設ける」方針をとっています。一方で、この段差は車いすユーザーにとっては転倒リスクにつながります。

こうした両者の安全を両立するために、横断歩道の一部に「切り欠き」を設け、車いすでも安全に通行できる工夫を長年続けてきたとのことでした。

現地でも数多くの切り欠きが整備されており、特に近年は視認性を高めるため、切り欠き部分を水色に塗装する取り組みも進められていました。

視覚障害者と車いすユーザー、それぞれの安全に丁寧に向き合い、誰もが安心して通行できる歩行空間をつくろうとする鳥取県の姿勢を強く感じました。

出入口の段差ゼロ

県内の新築・改築では、店舗の規模にかかわらず「出入口は段差ゼロ」が求められています。

今回訪れた新しい店舗や改修済みの施設では、実際に段差がしっかりと解消されており、基準が現場で丁寧に実行されていることが分かりました。

現地を訪れて感じたこと

鳥取県の取り組みは、制度、設計、運用のすべてが丁寧に積み重ねられた「持続するバリアフリー」の姿でした。

現場を歩き、職員の皆さまと直接お話しする中で、その一つひとつの改善が長い年月をかけて育まれてきたことを実感しました。

今回伺った「現場の声」は、WheeLog!が全国で進めている改善提案にとって大切な示唆となるだけでなく、今後、国への政策提言を行う際の根拠としてもしっかりと活かしてまいります。

特に、出入口の段差解消、歩道の整備方針、UDタクシーの配備など、全国に広げていきたい視点を多く得ることができました。

こうした学びを大切にしながら、誰もが安心して移動できる社会づくりを、着実に進めていきます。

当事者の声を集めています

WheeLog!では今、バリアフリーに関する「当事者の声」を集めるアンケートを実施しています。

鳥取県で学んだ“現場に根ざした改善”を全国に広げるためにも、実際に外出する中で感じた困りごとや改善案が欠かせません。

いただいた声は、国や自治体への政策提言に活かし、みんなが安心して外出できる社会づくりにつなげていきます。

皆さまのご協力が大きな力になります。温かいご参加を心よりお願いいたします。

▼アンケートに回答する(11月30日(日)まで)

https://forms.gle/Kji6rPaLXpAe1FwbA

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