11月25日(日)に小田原でミニ街歩きが開催されました。参加者の方から感想をいただきましたので、ご紹介します。
こんにちは。神奈川県西地区リハビリテーション連絡協議会地域リハビリテーション部の齋藤と申します。
私は小田原で開催されているWheeLog!イベントに去年・今年と計3回参加させていただいています。参加をしている中で感じたことをお伝えしたいと思います。
みなさん、バリアフリーといって思いつくものはなんでしょうか。段差や階段でしょうか。私がWheeLog!イベントに参加していて感じるのは「心」のバリアフリーです。
小田原は日本有数の観光地であり、城下町です。歴史的遺産も多くあるためバリアフリー化は大変だと思います。しかし、2000年には「交通バリアフリー法」が施行され、徐々に「物理的」なバリアフリー化が進んでいることが感じられます。段差にスロープが設置されたり、道路に点字ブロックが敷かれたりしている様子は目にすることも多いのではないでしょうか。
WheeLog!イベントに参加すると段差や階段、スロープなど「物理的」なバリアの解消された点、取り残されている問題点が浮き彫りになって見えてきます。それと同時にせっかく敷かれた点字ブロックやスロープの前に自転車や物が置かれて役に立たなくなっている場面にも遭遇します。残念ですね。「物理的」なバリアフリー化がなされても「心」のバリアフリーがなされていない証拠です。
でもこんなこともありました。
WheeLog!イベントであるお蕎麦屋さんにお邪魔した際の出来事です。その建物はバリアフリー化されておらず、入り口も段差がありました。そこに店員さんが出てきて車椅子を持ち上げる手伝いをしてくれたため、無事入店しお蕎麦を食べることが出来ました。店員さんは「段差があって使いにくくてすいません」と言っていましたが、素晴らしい出来事であると思います。「物理的」なバリアを店員さんの「合理的な配慮」が上回った瞬間とでもいいましょうか、制度上、物理的なバリアの解消を進めるだけでなく、そこで生活する人々が周囲の人々の生活にも関心を示し、円滑に使用できるようにする「心」のバリアを取り除くことをしなければ、真のバリアフリーは実現しないことを肌で感じた体験でした。
WheeLog!イベントでは必ず各班に分かれて行動し、一緒に昼食をとります。毎回様々なお店に立ち寄らせていただきますが、お店によってはバリアフリー化していない店舗もまだまだ多くみられます。しかし、多くの店員さんはテーブルを移動したり、段差を乗り越える手伝いをしてくれたりと「心」のバリアフリーを感じられる場面に毎回遭遇します。普段、段差や階段など「物理的」なバリアフリーに着目しがちですが、WheeLog!イベントに参加すると「心」のバリアフリーを感じることができると思います。
「心」のバリアフリーは、まさに「おもてなし」の心を持つ日本人にピッタリであると感じます。2020年には東京オリンピックの開催が決定しています。バリアフリー先進国の欧米の観光客も多く来日すると思います。日本のバリアフリーの現状を見て笑って帰るか、落胆して帰るかはWheeLog!の活動にかかっていると言っても過言ではありません。といったら少し大げさかもしれませんが、当事者団体の方と一緒に道路を走行し、バリアフリーについて話し合う機会は今後のバリアフリーを考える上で非常に貴重であると感じます。
WheeLog!イベントに参加して真のバリアフリーを感じてみませんか。ぜひ皆さんの参加をお待ちしています。